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TECH BLOG / 12月 2, 2019

8K 動画再生推奨システム Part 1: GPUの利用



Mauricio Alvarez-Mesa, PhD 著 — Spin Player  は、高度に最適化されたHEVCデコーダとビデオレンダリングエンジンに基づいています。このソフトウェアソリューションにより、8K動画をコンパクトで低価格な汎用PC上で再生することが可能です。

このTech blogでは、8K再生のための推奨PC構成を紹介するとともに、一般販売されている8Kディスプレイおよびモニターを使用した8Kディスプレイセットアップについても説明します。

Spin Playerのパフォーマンス

Spin Playerの最終的なパフォーマンスは、コンテンツプロパティ、ビットレート、また、再生環境のパフォーマンスに依存します:

  • コンテンツ特性: プレーヤのパフォーマンスは、解像度, クロマフォーマット(4:2:0, 4:2:2, 4:4:4), ビット深度(10-bit, 12-bit), 入力映像の空間的・時間的な活動性などのコンテンツ特性に影響されます。
  • ビットレート:  HEVCデコーディングのパフォーマンスは、ビットレートに大きく依存します。すなわち、目標ビットレートが高ければ高いほど、それを実現するためのPC性能要求も高くなります。ビットレートは、ビットレート設定, レートコントロール, GOPサイズ, イントラフレーム, ブロックサイズなどの動画入力に対するエンコードオプションに依存します。
  • 再生環境のパフォーマンス: デコーディングのパフォーマンスは、CPUのパフォーマンス(周波数、コア数)に直に依存しています。ビデオレンダリングのパフォーマンスは、GPUのパフォーマンス(周波数、コア数、メモリ帯域幅)に依存しています。

並列スケーラビリティ

Spin Player に統合されたHEVCデコーダは、最新のマルチコアCPUアーキテクチャを効率的に使用するため、高度なマルチスレッディングでパフォーマンスを最大限に発揮できるように最適化されています。ウエーブフロント並列処理(WPP)、スライス、タイル、フレームレベルでの並列化など、様々な並列処理方法をサポートしています。最適な方法が自動的に選択されます。各分野で利用されているフォーマット、かつSpin Playerの対応していている並列処理フォーマットは以下:

  • WPP:ソフトウェアエンコーダにおいて一般的なフォーマット
  • 4 スライス:ARIB STD-B32において定義されるフォーマット
  • 2×2 タイル:8Kハードウェアエンコーダで使用されているフォーマット

メディアプレーヤ(Spin Player)のパフォーマンスは、CPUコア数に応じて大きく変わります。コア数の多いCPUを使うことで、高ビットレート、高品質クロマフォーマット(4:2:2、4:4:4)ハイフレームレート、さらには8K以上の解像度を必要とするアプリケーションを実現するパフォーマンスが得られます。

8K60pプレイバックPC構成

8K60pアプリケーション再生に必要なシステムを検証するため、8K解像度でデコードが難しいとされるコンテンツを使用して、詳細なベンチマークを実施しました。

Spin Player のページでは 4x HDMI 2.0 (DP to HDMI 2.0 コンバータ使用) または 1x HDMI 2.1 に対応したGPU使用による8K再生推奨環境について記載しています。推奨ビットレートの数値は実際の8K映像現場における各種用途での運用ビットレート帯を示しています。

8K60pディスプレイシステム

SpinDigital 社では複数の商用8Kディスプレイ上で動作検証を行いました。こちらでは検証した8K動画再生システムの構成例を紹介いたします。

HDMI 2.1 接続の 8K TV

  • TV 型番: Sony KD-85ZH8
  • AV コネクタ: 1x HDMI 2.1
Sony KD-85ZH8 を使用した8K60p ディスプレイシステム

HDMI 2.0 接続の 8K TV

  • TV 型番: Sharp AQUOS LC-70X500 もしくはより新型の8K TV
  • AV コネクタ: 4x DisplayPort 1.4 to 4x HDMI 2.0b(推奨:Club3D CAC-1080)
Sharp AQUOS LC-70X500 を使用した8K60p ディスプレイシステム

Dell 8Kモニター

  • モニター型番: Dell UltraSharp UP3218K
  • AV コネクタ: 2x DisplayPort
Dell UltraSharp UP3218Kを使用した8K60p ディスプレイシステム

12G SDI を使用した8K 動画再生

Spin Playerは12G SDI を用いた8K HEVC動画再生にも対応しています。 SDI対応は映像処理とディスプレイチェーンを最大限に制御をする必要のあるプロフェッショナル用途向けです。

12G SDIを使用した場合の8K動画再生推奨システムについては以下のtech blog にて詳細を記載しています:

8K 動画再生推奨システム Part 2: 12G SDIの利用

注記および免責事項

本ページに示した推奨環境は、当社が実施した内部テストに依るものです。記載の情報は、参考までにご提供するもので、保証を意味するものではありません。特定のシステムなど要件がある場合は、当社までご連絡ください。

“Spin Player” はSpin Digital Video Technologies GmbHの登録商標です。

その他の商標は、引き続きその所有者の財産であり、ここでは説明の目的で使用されています。

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