技術概要/
High Efficiency Video Coding: HEVC

HEVCによる次世代ビデオの大幅な圧縮符号化。Spin Digital独自の実装によるHEVCエンコーダとデコーダの詳細をご覧ください。

ビデオコーデックの「進化」

 

過去数十年間のメディアアプリケーションの成功の裏で、ビデオコーデック技術は重要な役割を果たしてきました。90年代初期のH.261 コーデック・MPEG-1コーデックは、帯域幅の狭いネットワークでの低解像度ビデオの伝送を可能としました。 1990年代半ばのMPEG-2は、DVDやデジタルTV放送で幅広く使用されてきました。 2003年に標準化されたH.264 / AVCは、放送、VoD、Blu-rayのHDビデオ配信用と、現在最も広く使用されているビデオコーデックです。

 

 

4K・8K UHDTVに代表されるより高品質を目指した新しいアプリケーションの要求に応じ、2013年には高性能ビデオコーディング(HEVC)規格(H.265とも呼ばれる)が開発、批准されました。 HEVCでは、H.264 / AVCと比較して、同じ画質条件のもとでビットレートを50%削減することが可能です。

 

HEVC スタンダード

 

HEVC / H.265規格は、ITU-T Video Coding Experts Group (VCEG) とISO/IEC Moving Pictures Experts Group (MPEG) という、共同ビデオ符号化研究部会(Joint Collaborative Team on Video Coding, JCT-VC)に参加している標準化団体によって開発されました。

HEVCには圧縮率に大きく貢献する多数のツールが用意されています。そのツールというのは、基本的にはエンコーダがビデオ圧縮利得を得るためのビデオ符号化技術です。

 

HEVCは最先端ビデオ圧縮技術の代表的技術であり、放送、VoDおよび他の産業に広く展開されています。

 

HEVC符号化ツールの一例:

 

  • 最大ブロックサイズの拡張(旧来の16×16から64×64に拡張)

 

  • ブロックの再帰的細分化機能とそれに伴う最大深度パラメータの追加

 

  • 35個のイントラ予測モード(H.264では10個)

 

  • 高度な動きベクトル(Motion Vector, MV) 予測技術

 

  • デブロッキングフィルタとサンプル適応オフセット(Sample Adaptive Offset, SAO)を含む高度なインループフィルタ

 

  • 拡張されたコンテキスト適応二値算術符号化(Context-based Adaptive Binary Arithmetic Coding, CABAC)

 

 

HEVC規格には、HDRおよびWCGといった映像品質の強化、異なるデバイス間(テレビ、PC、タブレット、スマートフォン)におけるフレームレート適応のための時間階層符号化、階層的ピクチャグループ(Group of Pictures, GOPs) のサポートが含まれており、従来の符号化構造に比べて圧縮利得が向上します。

さらに、現在、広く普及しているマルチコアアーキテクチャを最大限活用するため、並列処理専用のツールが設計されています、すなわちTiles 及びWavefront Parallel Processing, WPPです。 これらのツールを使用することで各ピクチャを複数の領域に分割して並列処理することができます。

 

HEVC / H.265規格を拡張する重要な拡張機能一例:

 

  • RExt (HEVC version 2, 2014): 超高品質なコーディングを可能にするための、カラーフォーマットとビット深度範囲を拡張する機能。 4:2:2・4:4:4・RGB形式および最大12ビットのbit深度をサポート

 

  • Scalability (HEVC version 2, 2014): 元の完全なビットストリームから、低クオリティ版ストリーム、または空間/時間分解能の低いサブストリームの1つ・サブセット、を抽出することを可能とする拡張機能

 

  • Multiview (HEVC version 2, 2014): 一つのシーンの複数視点による符号化をサポートする拡張機能
    3D video (HEVC version 3, 2015): 裸眼立体視に必要なマルチビューポイント映像の効率的な圧縮を可能とする拡張機能;

 

  • Screen Content Coding – SCC (HEVC version 4, 2016): レンダリングされたビデオ、テキスト、およびアニメーションの圧縮効率を改善する特別な拡張ツール

各種拡張の結果、HEVCは、テレビ放送、VoD、データ保存などの従来型ビデオアプリケーションの機能を拡張するだけでなく、そのコーデック技術の適用可能領域をVR・パノラマビデオ、没入型プロジェクション、ゲームストリーミング、リモートデスクトップ 、超低遅延ビデオ会議などへと拡張してゆくことが可能となっています。

 

各種コーデックにおける符号化ツールと適用領域

 

下の表では、HEVC・MPEG-2・H.264を、符号化ツール・機能・拡張機能・適用領域と、さまざまな視点から比較し、その違いを示しています。

  MPEG-2
H.264/AVC
HEVC/H.265
Coding toolsLargest block size16x1616x1664x64
Smallest prediction unit16x168x8, 4x4Inter 8x4, Inter 4x8, Intra 4x4
Transform unit sizes8x88x8, 4x432x32 down to 4x4
PredictionNo Intra, half pel MV precision, maximum 2 reference frames10 Intra modes, quarter pel MV precision, up to 16 reference frames35 Intra modes, quarter pel MV precision, 8-tap filter, advanced motion vector prediction, up to 16 reference frames
In-loop filtersNoneDeblockingDeblocking improved, SAO
Entropy codingVLCCAVLC, CABACCABAC enhanced
FeaturesslicesslicesHDR, WCG, temporal scalability, hierarchical GOPs, slices, WPP, Tiles
Extensions4:2:2, 4:4:4, scalability 4:2:2, 4:4:4, up to 16 bit-depth, scalability, multiview 4:2:2, 4:4:4, up to 16 bit-depth, scalability, multiview, 3D, SCC
ApplicationsStandard TV, DVDHD TV, Blu-ray, Internet videoUHD TV, 4K Blu-ray, Internet video, VR, immersive projections, game streaming, remote desktop, low latency video conferencing

 

Spin Digital による HEVC コーデックの 「実装」

 

HEVC規格では、有効なビットストリームの復号方法が指定されていますが、 異なる復号方法の実装は、全く異なる特徴・性能をもたらします。デコードされたビットストリームはデコーダが異なったとしても完全に同じビデオ出力を生成するはずですが、往々にしてそのパフォーマンスは全く違います。 エンコーダも同様、仕様に従った有効なビットストリームを生成するためには様々な種類のエンコーダが考えられますが、品質・圧縮率・パフォーマンスレベルはエンコーダの実装方法によって全く異なります。

Spin Digitalは、高品質かつ高性能なHEVCコーデックを実装したソフトウェアコーデックを開発しました。

 

高性能HEVCデコーダ

 

Spin Digital HEVCソフトウェアデコーダは、比類なきレベルの性能を達成するために広範囲に最適化されています。最適化内容としては以下:

 

  • 数十のプロセッサコアを持つマルチコアアーキテクチャ上においても最高のパフォーマンスとスケーラビリティを実現するための先進的なマルチスレッド処理

 

  • SSE4、AVX2、およびAVX-512命令セットのための高度なSIMD最適化モジュールライブラリ

 

  • 効率的なピクセルフォーマットとキャッシュに優しいデータ構造の実装によるメモリ帯域幅削減のための広範なメモリ最適化

 

Spin Digital HEVCデコーダと現在一般的に入手可能な他のHEVCソリューションと比較すると、同じCPUを使用して8K動画を2倍以上のfpsで処理することや、同じリアルタイム映像品質をより少ないCPUリソースで実現することが可能です。

 

高品質HEVCエンコーダ

 

Spin Digital HEVC ソフトウェアエンコーダは、特に超高品質のビデオ(プロフェッショナルフォーマットの4K・8K映像)においてすぐれた画質と圧縮効率を実現します。

 

エンコード速度と映像品質同等条件の元で他のHEVCソフトウェアソリューションと比較すると、Spin Digital HEVCエンコーダは最大33.3%のビットレート(ファイルサイズ)の削減を実現可能です。

 

 

参照

 

  • Sullivan G. J., Ohm J. R., Han W. J., and Wiegand T., Overview of the High Efficiency Video Coding (HEVC) Standard, IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology, vol. 22, no. 12, pp. 1649-1668, Dec. 2012.
  • Ohm J. R. et al., Comparison of the Coding Efficiency of Video Coding Standards – Including High Efficiency Video Coding (HEVC), IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology, vol. 22, no. 12, pp. 1668-1683, Dec. 2012.

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